カナダライフ トロントの春は５月のお花見の季節で本格的
＜桜の幹＞
トロントの冬は、１１月頃から始まり、特に２月頃には、とても冬が長く感じられます。冬を楽しむ人達も含めて、「もう、いい加減にしてよ〜！！」ってつい言いたくもなります。だから暖かい南の国に避寒に行く人達が多くなるのもこの頃からです。
雪深い冬を避けて、気候の温暖な南の方、フロリダ州やテキサス州などで、何ヶ月間か過ごすのが慣例のようになっている人達もたくさんいて、彼らをスノーバードと呼びます。
３月や４月も「春はもうすぐかな。そこまで来ているよね。」って思ったり感じたりするものの、まだまだ肌寒い日々が続きます。そんな中、日系文化会館では、春を待ちわびてお雛祭りやお生花のデモンストレーションなども行われて、華やかになります。
トロントには色々な背景の日本人も住んでいるので、色々な企画を発案して、長い冬を楽しんでもいます。
ワインテースティングもその中の一つで、ソムリエの資格を持つ人をお呼びしての楽しい一時を過ごしたりもできます。
メープルシロップの収穫時期の３月から４月頃には、ホッカホッカのパンケーキにカナダのお土産としてよく知られている、美味しいメープルシロップをたくさんかけて食べるお祭りもあちこちで企画されます。特に有名なところでは、トロントから100キロぐらい北西に行ったエルマイラの町がありますが、あちこちの自然保護公園でも企画されます。
私は、学校の仕事の都合で４月には休みが取れるのでトロントを離れて、最近は、ヨーロッパへの探索に出かける事が多いです。今年は、スペインに行きましたが、特にアンダルシア州を中心に廻ったのでアルハンブラやセビリアなどを訪れました。気温的には、今年は４月はヨーロッパも雨模様で肌寒い日が続いているようでした。
トロントで桜の花の咲き始めは４月の下旬からで、満開になるのが５月に入ってからです。その年によって、一週目以降になったりもします。桜がトロントに咲くと長かった冬も終わり、本格的に春が来たという気分になります。バンクーバーの桜の開花よりも１ヶ月以上も遅いのが普通です。
日本人には欠かせない桜ですが、最近は、トロントでも開花を楽しみに待つ人達が増えていて、春の花見のための開花予報のニュースが流れるほどになりました。
トロントの桜の見所は、何と言ってもハイパークです。今から６０年前に、戦後西海岸を強制的に追われた日系人を支援してくれた事に対しての感謝の気持ちとして、日本大使が東京都民からの贈り物として、2,000本の桜が寄贈された事が始まりです。その後も桜プロジェクトなど、トロントのあちこちや近郊にも何百本の桜が寄贈されて日本とカナダの友好の象徴として、植樹がなされてきています。トリニティーパーク、トロント大学、スカーボロ、トロント郊外の刈谷市と姉妹都市関係にある、ミササガ市にある刈谷パークにも日本庭園があり、沢山の桜が綺麗に咲きます
４０年ほど前までは、桜の開花の時期にお弁当を持って来て家族で楽しむという風景は珍しかったのですが、最近は沢山の人々が公園を訪れて、トロント市民が美しい桜を楽しめるようになって来ました。最寄りの駅には、サインもありますし、駅で公園の入り口を教えてくれる人まで立っているようになって驚きです。
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