Tsurezurekun’s blog

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テニス全米オープンでの大坂選手の活躍ぶり

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全米オープンでの大坂選手 ロイター通信

ちょうど一年前、あのテニスの女王セリーナ・ウィリアムズを全米オープン決勝で破るという快挙をやってのけて以来、大坂なおみ選手は、勝っても負けても、スポーツ界の話題になっています。

 

前回の全米オープンでは、力で圧倒するのではなく、速いサーブ、相手が届かないボールを的確に打つというような知的なテニスで、勝利を飾ったものの、セリーナが審判とのいざこざで、カッとなって切れてしまい、大坂選手のグランドスラム(4大大会)初優勝に水を差し、なんとも後味の悪いゲーム展開となってしまいました。それでも優勝した大坂選手の冷静なゲームと健気さとしおらしさがテニスファンの心を掴んだのです。

2019年全米オープン

昨年の全米オープンの後もオーストラリア・オープンでも優勝し、20歳の若さで4大大会の2つを制覇して、押しも押されもせぬチャンピオンになり、大きなスポンサーもつきました。ただその後は、試合の早い段階で負けてしまい、最終決戦試合まで行けていない大坂選手です。それでも他の上位の選手達が負けて、主な試合でのポイントを維持する事で、8月にはまた女子テニス世界一位の地位を取り戻して、今年の全米オープンに臨んだのです。

 

新出気鋭の15歳のアメリカ選手、ココとの対戦

 

第3試合で、アメリカの天才少女とも言われる、若干15歳のココ・ガウフ選手と対戦した大坂選手のゲームは、ウインブルドンで初戦敗退をした大坂選手がいかに対応するのか、また、ウィンブルドンで4回戦まで進む快進撃を続けたココ・ガウフ選手がこの大きな試合で、どのように大坂にチャレンジするのかで、注目の的となったのです。

 

地元から選ばれて出場するココ選手は、全米オープンでも3回戦を勝ち抜いて来たわけで、スタンドでは、新出気鋭の彼女を応援する熱気がすごかったのです。しかし、大坂選手は落ち着いた試合ぶりを見せて、15歳とは思えないほどの力量を見せたココ選手をストレートで負かして安定した強さを見せてくれました。

 

ココ選手には是が非でも負けられない、あとには引けないと言う大坂選手の意地があったでしょうし、これが最後の試合であるかのような気持ちで臨んだようです。

 

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ココ選手を慰める大坂選手 getty images

 試合後に、泣きそうになったココに近寄り、彼女がもう既に素晴らしい力を出している事を褒め称えると共に、試合後のインタビューに一緒に出ようと呼びかけました。

 

大坂選手曰く、「私が負けた時はロッカールームでひと泣きしてから、会見に向かうけど、それはあまり気持ちが良いものじゃないわね。今日来てくれてた観衆の多くが彼女を応援していたのを知ってたから、シャワーを浴びながら一人で泣くより、みんなの前でお礼を言うと共に、自分の気持ちとかも話をした方が良いと思ったの。みんなが誇らしく思ってくれている事を、顔を上げて感じてほしかった」

 

この日、8月31日の全米トーナメントのニュースでは、勝者である大坂選手がココ選手に示した寛大な思いやりのある態度であふれていました。かの有名なビリージーン・キングもツイッターで、二人のやりとりに拍手を送っていました。

 

辛い思いをした自分の事を振り返って、対戦相手だったココ選手に、思いやりの気持ちを伝えるのに、具体的に行動を起こして慰めることは、なかなかしがたいことです。おごりのない態度がファンの気持ちを突き動かして第3試合とは思えないような、試合の雰囲気がありました。

 

第4試合での敗退

 

今日、9月2日に行われた4試合目は、大坂選手は、過去に2度ほど負けたことのある、スイスのベリンダ・ベンチッチのサービスを崩せず、 5-7、4-6のストレートで大坂選手が敗れ、残念ながらベスト8の進出がならず4回戦で敗退しました。

 

 たくさんの観衆の前で世界のランキング1位のプレーヤーとして、大きな期待やプレッシャーがかかる中で、連覇を逃した大坂選手は、一昨日のゲームとは打って変わったプレーだったようです。

 

今回もまた辛い経験だったことでしょう。今後ともグランドスラムでの優勝をするためには、様々な上位選手との対戦は避けて通れないでしょう。今後は、対戦相手もより大坂なおみ選手を研究して対策を練って来る事でしょうから、その中で、大坂なおみ選手がどう勝っていくのか注目の的です。試練を乗り越えて、彼女の笑顔がまた見れる事を楽しみにしています。

 

 多くのスター選手を輩出し、注目を浴びているカナダのテニス界。

 

今回の全米オープンでもカナダの10代の出場選手達は、活躍をしています。

男性のゲームでは、デニス・シャポバロフは、初回同じくカナダのライバルであるフェリックス・オジェ アリアシムにストレートで勝ち、残念ながら、ベスト8には入れませんでしたが、手に汗を握る長い試合をフランス人のプレーヤーを相手に見せてくれました。

 女性陣では、「ロジャーズ・カップ」で自身2度目のツアー優勝を果たした19歳のビアンカ・アンドレスクが13もランキングを上げて14位に上昇しており、今夜の第4試合にアメリカのテイラー・タウンセンド選手を負かしてベスト8に入りました。